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まずはひと部屋から。断熱のすすめ「がまんしなくていい部屋」を

まずはひと部屋から断熱。できればゾーン断熱を

たとえば、冬の寒い時期、
●風邪をひいて寒気がする、咳が出る、喉が痛い
●退院して自宅療養している
●お年寄りが、ほとんどの時間を過ごす部屋


こんな時、あたたか~い部屋にいることができたら、
どんなに体がラクでしょう!
実際に、断熱改修をしたあとの血圧測定では、平均3㎜以上の血圧低下が学術論文として発表されています。
夜間ひん尿も改善され、燃焼系の暖房器具を使わなくても暖かいから空気の汚染も少なくなります。


でも、今住んでいる家を全部断熱リフォームするとなると、改修費用は今なら1000万円以上はかかるでしょう。
そんな高額なリフォーム工事ができる人は、そんなにはいません。私もできません。
じゃあ、どうすればいいのか。
・補助率の高い「先進的窓リノベ支援事業」で、窓リフォームだけを実施する。
という選択肢はありますが、とくに木造住宅の場合、
窓だけを断熱化しても断熱性は不十分です。
充分な断熱性とは?
充分な断熱とは、WHOが勧告している、
「暖房器具をつけない状態で、室温18℃以上」を保てる断熱性能を、私たちは目指しています。
そのために必要な工事は、
「窓プラス 壁・床・天井の断熱材工事」
です。
その部屋のすべての外皮(窓・壁・床・天井)を断熱して
はじめて「断熱化」できるのです。

全部の部屋が無理なら、たとえひと部屋だけでも、まずは断熱改修することは、健康リスクの減少に役立ちます。
たとえば
●自宅療養が必要な人
●みんなが集まるリビング
●赤ちゃんが長時間滞在する部屋(幼児の低体温症は健やかな発育の妨げとなっています)
などは、低体温にならないために、あたたかい部屋が必要です。
 
室温差があるとヒートショックのおそれはありますが、
・暖かい部屋から廊下に出てトイレに行くときはガウンやショールを1枚はおる。
・寒い浴室は、脱衣所を暖房したり、浴室の床にお湯を流して温める。
などの工夫をすることで、対策することができます。
ひと部屋の断熱とゾーン断熱の違い
【ひと部屋断熱】
文字通り、ひと部屋だけを断熱します。
下のような間取りの家なら、和室を断熱改修するのが、もっとも予算が少なくてすみます。
赤ちゃんがいたり、病気で療養するなどの場合に最適です。
断熱改修して畳を床張りにしてベッドを置き、押入と仏間のスペースにトイレを作るとさらに便利ですね。
ひと部屋自宅前図面2025.png
【ゾーン断熱】
●LDKを断熱する場合は、「断熱区分」で考えれば以下のように断熱範囲が広くなります。
LDK自宅前図面2025.png
●間取りを変更して断熱改修する場合のプランが以下になります。
 改修範囲が広くなり、キッチンも変更になるので工事費は400~500万円位になると思いますが、
 3部屋全部が断熱だと、だいぶん省エネで、かなり快適に暮らせそうです。
自宅後図面22025.png
もちろん、ゾーン断熱としては「1階全部」してしまうのがベストですが、
浴室、洗面、トイレが追加になると設備機器代金がその分加算になるので、
工事費用としては800万円くらいになりそうです。

とりあえず、ひと部屋だけでも断熱してみて、良さを実感できたら、来年もうひと部屋を断熱する、という方法もおすすめです。
ひと部屋断熱 施工事例
具体的にどんな工事をするのか、
それでは実際の施工例をご紹介します。
こちらは北九州市の山の手にある一戸建て木造住宅です。
プライバシーの関係で全体像はUPできませんが、
断熱リフォームの流れがわかるように写真を並べます。


【工事前】外観・・・赤丸の部屋を断熱リフォームします。
jirei2.JPG

【工事前】室内(寝室)
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【工事中】壁や床の下地を調整し、撤去すべき部分は撤去し、木材で枠を入れていきます。
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▼枠組みの中に断熱材を隙間なく敷き詰めます
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▼断熱材を張り終わったら、床の下地となる合板を張ります。

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▼壁の断熱材の継ぎ目には「気密テープ」を張って、暖かい空気が外部に逃げないようにします。
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▼壁と天井に断熱材と気密テープを張り終わりました。
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▼使用した断熱ボードは、フクビ科学工業の「フェノバボード」という製品です。
fenoba2.png
▼断熱材の上にプラスターボードを張り、クロスを張る前の下地調整パテを打ちます。
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▼窓2カ所に内窓を設置します。内窓はLIXILのインプラスです。
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mado1.jpg

【完成】
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▼断熱をして機密性が向上するため、結露等防止の換気扇を設置します。パナソニック製です。
Image (40).jpg
これで「ひと部屋」の断熱改修は終わりです。
あとは、断熱改修したあとの血圧測定や外気温と室内気温のデータを採取して、
断熱の効果測定をします。

●お施主様の感想
施工時期が、雪の降る寒ーい時だったので、工事後すぐに暖かさを実感されたそうです。
「夜、エアコンで20℃に暖めた部屋でエアコンを止めて就寝し、朝、起床時に室温を見たら18℃で、びっくりした。
 あったかいから、起きるのがラクだった」

いかがでしたか?
暖かい部屋で就寝すると、冷たい空気を吸い込むことがないので、
喉の痛いときや発熱時は、体に負担をかけることなくかぐっすり眠れるようになります。

 
あなたがいま住んでいる家が、どれくらい寒いか、知っていますか?
とくに日本の古い(昭和、平成初期)木造住宅の場合は、
無断熱や低断熱住宅が多く、床下や壁からの冷気、すきま風などで、いくら暖房をしても暖かい空気は熱交換されてどんどん外に逃げていきます。
以下のグラフでもわかるように、既存住宅のじつに70%が「低断熱/無断熱」住宅です。

住宅ストックの断熱性能グラフ.jpg
2025年4月から、新築住宅の省エネは義務化されますが、
古い既存住宅はリフォーム工事をしない限り、永遠に寒くて暑い過酷な環境のままです。
冬、寒いのは「当たり前」? 寒さは我慢するのが美徳?
日本より緯度の高い寒いイギリスでは、
寒い住宅は基本的人権を侵害する環境だという考えのもと、
すっと以前から、室内温度18℃を下回る家には改善命令が出たりしています。

かのフローレンスナイチンゲールは、環境が健康に影響を与えることを重視し、
患者が病気を修復していくためには、保温に努め、体温の喪失を防ぐことが重要である。夜気に触れることも避けるべきである。という考えを示していました。


一方、日本では、家の寒さが住む人の健康を損なうことを、考えようとはしませんでした。
アスベストやホルムアルデヒドは、健康被害が社会問題となって法整備されましたが、
住宅の断熱化については、2025年からやっと新築住宅の断熱基準が法制化されただけで、
既存住宅はまだまだ課題が多いのが実情です。
断熱リフォームには、さまざまな補助金制度や低金利ローンが用意されています。
  • 「窓だけ」先進的窓リノベ
  • 「窓と断熱材」部分断熱から全面改修まで 次世代省エネ建材内張断熱
  • 「家を外側から断熱材で覆う」次世代住宅建材外張断熱
  • 「省エネ設備、器具の取付」子育てエコホーム
  • その他、地方自治体が運営しているリフォーム補助金
  • 日本政策金融公庫のグリーンリフォームローン
それぞれ、2つ以上の補助金制度を併用できたりできなかったりしますので、
工事内容や予算に応じて使える補助金制度を提案します。

●ただしカーボンニュートラルのためにザバザバ出ていた補助金制度も、今年で3年目。
来年からは補助金制度が縮小、廃止されることも考えて、私たちは動いています。


知らず知らずに我慢してきたけれど、
部屋の中は暖かい方がリラックスできていいよね、とお考えの方は、
ぜひご相談ください。
たとえひと部屋だけでも、断熱すると生活が変わります。




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