リノベーション・インスペクション

リノベーションは、性能で選ぶ時代です

新築やリノベーションをするときは、見た目の美しさやデザイン性も大切ですが、住む人の健康を考えるとき欠かせないのが「性能設計」です。
このページでは、「性能設計」を4つに分類し、分かり易く解説していますので、中古住宅購入前の性能チェックにもお役立てください。
中古住宅を購入して当社でリノベーションをする場合は、
購入前の住宅調査を無料で実施します。
リノベーションだからできる、
住む人の健康と、住宅の長寿命を考えた性能設計
性能向上住宅… 「省エネについて」

日本の既存木造住宅は断熱性が低いため、欧米に比べると冬の室温がかなり低いことは知られています。北海道などの寒い地域では、早くから断熱省エネリフォームがさかんですが、九州でも最近では健康志向と環境配慮の観点から、冷暖房費を抑える断熱省エネリフォームが進んでいます。
国も省エネリフォームを推奨し、下記のように省エネ関連の補助金制度が何種類もあります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

次世代省エネ建材支援事業

高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業(断熱リノベ)

省エネ住宅にリフォームするには
サーモス樹脂サッシ

もっとも外気熱を取り入れやすい窓やドア

窓リフォームで内窓を取り付けたり、樹脂サッシに交換します。
断熱等級の高いLow-Eペアガラスにすることで、
  • ■冬の寒気を室内に取り入れにくく、ガラスの結露もおこりにくい
  • ■夏の日射熱を取り込みにくいので、冷房がききやすい
  • ■樹脂サッシは、窓枠が金属ではないため、さらに断熱性があがり、結露がおこりにくい
  • ■外の騒音が聞こえにくくなり、室内の音も外部に漏れにくい
床下断熱材 スタイロフォーム 断熱材 アクリアマット

断熱材の入っていない家…知らずに寒い生活

インスペクションで家の調査をしていると、壁や床下に断熱材の入っていない家が多くて驚きます。敷布団なしで床に寝るような寒さです。でも、そんなことは知らないから、知らず知らずのうちに健康を害しているかもしれません。
断熱材をしっかり入れて、健康的な生活を。

家全体の壁・床・天井に断熱材を入れることで、
  • ■冷暖房の効果があがる
  • ■家中が暖かくなると、冬のヒートショックの予防になる。

ヒートショックでなくなる人は交通事故死より多いことは知られています。ヒートショックは浴室だけでなく、気温の低い玄関や廊下などでも起きています。
断熱材を入れて、家全体をあたたかくし、部屋と部屋との気温差が少なくなるようにすることが重要です。
エコキュート

給湯は、高効率給湯器やハイブリッド給湯器に

車と一緒で、給湯器も低燃費が当たり前の時代になりました。
光熱費の節約も兼ねた、一番わかりやすい省エネです。

性能向上住宅… 「耐震性について」

昭和56年6月以降に建てられた新耐震の家でも、実際に耐震診断をしたら耐震等級1に満たない家が多いんです。リノベーションの時に壁や天井を解体するなら、ぜひ一緒に耐震補強工事を入れてください。
金物を追加するだけでも、等級はかなり高くなりますし、 屋根の葺き替え工事で軽い屋根を選ぶと、耐震性があがります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

※昭和56年5月以前に着工された住宅は、耐震診断の費用や耐震補強計画の見積・施工に、県や市町村から補助金が出ますが、耐震基準を満たすための工事費用はかなり高くなるケースが多いです。
耐震リフォームするには
リノベーションするときこそ考えたい、耐震設計
【金物補強】
当社は県の依頼で耐震診断をしていますが、「いままで何回も改装工事をしたけど、そのときに耐震補強をしておけばよかった」と後悔される方が多く、残念な気持ちになります。
これからは、解体をともなうリフォームの時には、まず耐震性について考えてみてください。
  • ■筋かいの上下の接続部分に補強金物を追加する
  • ■屋根葺き替えのときに軽い屋根材を選ぶ
  • ■広い空間のLDKには、インテリアを考慮した耐震補強壁を設置
当社施工事例:筋交いと梁・柱に補強金物
当社施工事例:筋交いと土台・柱に補強金物
当社施工事例:透光型耐震壁 パンチくん
金物の設置には、床下にある土台と筋交い、天井裏にある梁と筋交いに金物を設置するため、壁・床・天井の解体が必要となります。
だからこそ、リノベーションのついでにやっておくのがお勧めです。
金物を入れるためだけに解体、現状復帰の工事をするのは、もったいないですよね。リノベで解体したついでに金物を入れる工事なら、そんなに費用はあがりません。
リノベーションするときこそ考えたい、耐震設計
【間取りの変更】

上記はリノベーション後の完成図面です。 計画の時点から、残しておく柱や壁に加えて、新しく設置する耐震壁等を 図面に書き起こして耐震計算します。 この「壁量」と「屋根の重たさ」「基礎の仕様」などで各部の強度を算出し、その合計から、耐震等級を数値化します。
屋根材を軽い材質に葺き替える
当社施工事例:【工事前】 瓦屋下地の劣化で雨漏りが発生
【工事後】瓦を撤去、下地を取り替えて、コロニアル瓦に更新
屋根材を葺き替えるときは、軽い屋根材にすると耐震等級が格段にUPします。認定長期優良リフォームで耐震等級を3にあげれば、地震保険が50%割引になります。
※事例写真のコロニアル瓦は軽くて地震に有利なだけでなく、瓦の重なり部分が多いので風雨にも強いのが特徴です。台風が心配な方にもおすすめの屋根材です。

長期優良住宅リフォームについてはこちら

性能向上住宅… 「耐久性の強化」
木造住宅の大敵は、白蟻と雨漏り被害
住宅の性能にもっとも影響を及ぼすものとして、シロアリや雨漏り、水漏れを予防する工事を推奨し、補助金対象工事としています。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

木造住宅の最大の敵は「シロアリ」です。シロアリは木造住宅の構造部材である木部を食いつくし、とくにイエシロアリは、柱をつたって屋根裏や外部の軒まで這い上がり、内部をスカスカにしてしまいます。
そうすると、本来、木部が持つ強度がほとんどなくなり、耐震性が一気に落ちます。
最近日本で起きた大きな地震で倒壊した家は、こうした家が多いのです。
赤丸は、シロアリの通り道、「蟻道」といいます。このようにしてシロアリは上へ上へと登っていき、最後には2階の屋根にまで到達していました。
シロアリに食われた柱は、一見するとなんの被害も無いように見えますが、写真のように、ドライバーを軽く差し込んだだけでささってしまうほど、内部が食われてスカスカになっています。
5年に1度の床下防蟻工事は大変ですが、実際に被害にあうと、復旧工事にたいへんな金額がかかります。被害にあわれた方は、「まさか、うちが?」と、たいへんびっくりされますが、インスペクションをしていると、 意外なほど白蟻被害に遭遇します。定期的な床下点検も重要ですね。
【シロアリ被害にあいやすい家】
  • ●高温多湿な地域(東北や北海道はほとんど被害がありません)
  • ●床下の地盤面が土の家(リノベ時にコンクリートで覆う等がお勧め)
  • ●地盤面から床までの床下空間が30cm未満の家(湿気がこもりやすい)
  • ●家の周囲に木材を放置したり、丸太を土中にさして垣根にしている家
小屋裏の雨漏りと給排水管からの水漏れも、木部を腐食させます。
◀左の写真は、トイレの排水から長年水が漏れていて、 「なんだか床がブヨブヨする」と思っていたら、このように水漏れで床下の木部が腐食していました。
床下だけでなく、水道管は壁の中にも配管されていますので、壁の中で水道管の継ぎ目から水漏れしているケースも少なくありません。
右の写真は、屋根裏の、雨漏りした跡です。 小屋裏や床下の状態を調査して適切な補修計画を立てるには、資格を持ち、登録団体のHPで氏名を公表されている正規のインスペクター (建築士)に家屋調査を依頼してください。 資格のない人が調査して、法外な修理費用を請求されたり、適切とはいえない工事をされたりする被害が多いのも事実です。
 
家を守るリフォームとは
床下の防蟻工事、床下地盤面の土壌処理剤散布
地盤面が土の場合、土壌処理剤の散布は重要
床下に露出している木部のすべてに薬剤を散布
タイルの浴室はユニットバスに改修する
タイルの浴室は、目地の切れ目や出入り口の継ぎ目から水が内部に侵入し、下地の木材や土台を腐食させます。
ユニットバスにすれば、その恐れがほとんどないため、長期優良住宅化リフォームでは必須の工事対象となっています。
ユニットバスにすることで、防水のほかにも以下のようなメリットがあります。
  • ●床、壁、天井に空間が生まれるため、断熱効果がある
  • ●高断熱浴槽になれば、省エネになる
  • ●隣接する洗面脱衣室と浴室との出入り口の段差が解消され、バリアフリーになる
また、よくある例として、浴室に出窓がある場合、出窓下の木部に水がしみ込んで、腐食していることも少なくありません。

浴室出窓部分の水漏れ事例はこちら

住宅の長寿命化を考えるとき、浴室をユニットバスに
改修することは大変重要な工事となります。
外壁や屋根の塗装、屋根の葺き替え、コーキングの打ち替え等で、
雨水の浸入を防ぎます
外壁塗装 外壁を塗装する際には、インスペクション等で発見した劣化部位の補修をしながら施工します。
おもな項目は、
■目地コーキングの劣化
■外壁や基礎のひび割れ
■軒裏の雨漏り
■木部の劣化
■バルコニーや庇の内部への雨漏り 等
非常に多い、バルコニーの水漏れ
木造住宅のバルコニーは、笠木からの水漏れや、家屋との接続部分の木部に雨水が侵入することによる腐食が起こりやすいので注意が櫃です。
このように、バルコニー表面が黒ずんでいる場合は内部への水漏れが起こっています。 バルコニー内部や家との接続部が腐食している事例も少なくありません。

バルコニー水漏れ事例はこちら

屋根塗装

屋根には、長年降り積もったほこりや土、カビや藻が堆積して、瓦を劣化させます。高圧洗浄をしてそれらを除去し、下塗りと上塗りを重ねて汚れを付着しにくくし、太陽光線や雨から守ります。 屋根塗装をしながら、雨樋の破損や軒裏の状態をチェックします。

コーキングの打ち替え

外壁の目地や窓まわりのコーキングが切れたり、やせて隙間があいたりすると、内部に水が侵入します。カッターナイフ等で劣化したシーリング材をはがし取り、打ち直します。

屋根瓦の葺き替え

瓦自体は良好な状態でも、古くなってくると劣化するのが、下地のルーフィング材や野地板と呼ばれる合板です。また、台風で瓦がずれたり、飛来物で瓦が割れたり、瓦の葺き替えにはいろいろなきっかけがあると思います。工事のときには、下地の状態を確認し、耐震性にも配慮します。

屋根板金に穴があいて雨漏りする事例

15年ほど前から、日本瓦の谷に設置されている板金(とくに銅板)に穴があく事例が増え始めました。雨水が集まる谷の部分に穴があくと、室内に雨漏りしたり小屋裏の木部が腐食するので要注意です。

屋根板金の穴補修工事例はこちら

性能向上住宅… 「メンテナンス性の向上」
水道管は、さや管ヘッダ方式に
昔の水道管は、金属製の管を直角につなぎながら各設備(トイレ、洗面、キッチン、風呂)に給水していました。直角につなぐので、つなぎ目の部材が劣化したり金属がさびたりして水が漏れます。
壁の中や、床下の土に埋まっている部分で漏水すると、気づかないことも多いので、「なんだか最近水道料金が高くなった」という方は、漏水を疑ってみてください。
さや管ヘッダ方式は、ヘッダを経由してそれぞれの給水設備に直接管を接続するので、分岐が少なく、湯量が安定。床下空間に露出して配管するので、水漏れしても発見しやすく、メンテナンス性にすぐれています。
水道管からの水漏れを予防する意味でも、さや管ヘッダ方式は有効です。長期優良住宅化リフォームでも補助金対象工事となります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

▼鋼管の接続部分がさびていました
▼さや管は地中に埋めないので安心
その他、リノベーション時の検討事項
以下の項目も、住宅の耐久性や維持管理には欠かせない用件です。
  • ■床下換気
  • ■小屋裏換気
  • ■床下や小屋裏の点検口設置
  • ■浴室に隣接する洗面脱衣室の壁や床を耐水性仕上げにする

インスペクションで、換気が適切かどうか確認します

中古住宅のインスペクションについて

中古住宅を購入する前にインスペクションをする場合

インスペクションにもさまざまなやり方があり、床下や小屋裏などに入れない場合、きちんとした調査をしないこともあります。
当社のインスペクションでは、このページでご紹介したような現況調査をした上で、状態の善し悪しを明確にし、改良した方がいい点や、いまやっておくべき工事などがあれば、ご提案しています。

中古住宅購入費用とあわせてリノベーション費用の融資を受けたり、補助金を活用してリノベーションをする場合は、当社にご相談くださいませ。

住宅ローンや補助金の詳細は、以下のページをご覧ください。

長期優良住宅リフォームのページへ

戸建て木造住宅のインスぺクション費用

延床面積165㎡まで・報告書作成含む  70,000円(税別)

●長期優良住宅化リフォーム補助金制度を利用する場合は、インスペクション費用等の一部に補助金が出ます。

インスペクションと併せて耐震診断をする場合  プラス 10,000円(税別)

インスペクションと併せて耐震補強計画を作成する場合 プラス 20,000円(税別)

当社では、複数の調査や図面の作成等が必要な場合は、全体金額が高くなりすぎないよう調整しています。 調査内容や料金についてはご不安のないよう説明していますので、事前にご相談ください。

お気軽にお電話、お問い合わせフォームからご相談ください。

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長期優良住宅認定制度の概要について一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 発行
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マンガでわかる住宅リフォームガイドブック一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会 発行
リフォームでめざそう 住まいと暮らしの充実一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会 発行

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